賃貸マンションを相続したら?手続きの流れと注意点を解説!
親や親族がマンションやアパートを所有していると、いつかは相続問題に直面します。
「相続」と聞くと、相続税などの税金やその後の管理など、難しそう・ややこしそうといったイメージがある方が多いと思います。
わからないまま相続してしまうとトラブルや損をしてしまう可能性もあります。
そこで今回は、マンション・アパートの相続について、必要な手続きや費用、売却・賃貸どちらがいいのか?それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
相続したらまずしなければいけないことって?
最初に、マンションやアパートなどの物件を相続した際の一連の流れを説明します。
①相続人は誰なのか調べる
まず最初に、誰が相続人となるのか調べるところから始まります。
亡くなった方の戸籍をさかのぼり、相続人調査を行います。
相続人としての権利を持つ人は法定相続人と呼ばれ、亡くなった方との関係(配偶者、子等)によって、民法で定められた相続分が配分されます。
②相続財産を調査する
相続人が分かったら、相続される財産の調査を行います。
相続財産には、相続する人にとってプラスとなるものもあれば、マイナスとなるものもあります。
相続した物件にローンが残っていれば、相続した人にはそのローン分も引き継がれます。
そのため、あまりにもローンが残っているようであれば相続放棄することもできます。
しかし一度相続放棄をしてしまえば二度と遺された財産は手に入らなくなってしまうため、慎重に検討する必要があります。
④遺産分割協議を行う
相続人と相続財産のどちらも確認ができたら、遺産分割協議に移ります。
法的に有効な遺言書が残されていればそれに従いますが、遺言書が残されていない場合、相続人たちの協議によって誰が・どれだけ相続するかを決定していくことになります。
相続人が1人の場合は遺産分割協議を行う必要はないためスムーズに相続手続きに進むことができますが、相続人が複数人おり遺産分割協議を行う場合は、相続人全員の合意が必要となるためなかなかスムーズには行かないかもしれません。
後々トラブルにならないためにも、決定事項は書面にまとめておき、相続人同士納得のいく協議とすることが重要です。
⑤相続登記を行う
相続人が決定したら、不動産の名義変更を行います。これを、相続登記と言います。
相続した物件のエリアを管轄している法務局に申請を行い、登記を行います。
以前は義務化されていなかった相続登記ですが、令和6年4月1日より義務化されました。
相続や遺産分割によって不動産を取得した人は、その日から3年以内に相続登記をしなければいけません。
法令が変わったことにより、相続登記を期限内に行えなかったとならないよう十分お気を付けください。
これを違反した場合、10万円以下の過料の適用対象となります。
急いで登記することにならないよう、早めから準備をし申請を行いましょう。
⑥相続税の支払いと確定申告を行う
物件を相続すれば相続税が発生し、その物件から利益を得ていれば確定申告を行う必要があります。
相続税
まずは相続税の計算方法ですが、相続した物件の建物部分と土地部分からなる相続評価額の総額に、該当する相続税率をかけて算出されます。
相続税を支払う対象となるのは、被相続人の持つ財産総額に、定められた一定の贈与額を足した金額が、相続税の基礎控除額を超える場合にのみ必要となります。
相続税の基礎控除金額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
この基礎控除の額を相続分の総額から差し引き、残った金額に対して相続税が課されるのです。
つまり、3,000万円分相続した場合、基礎控除金額を超えないため、相続税は発生しないということになります。
相続税の申告には期限があり、被相続人の死亡が確認された日の翌日から10ヶ月以内とされています。
発生した場合には、申告漏れがないように注意しましょう。
確定申告
相続した物件から家賃収入を得ているか、その物件を売却し利益を得た場合には確定申告が必要です。
収支を確認し、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。
さらに、被相続人が亡くなった時には「準確定申告」を行う必要があります。
準確定申告とは、被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までに確定した所得金額・税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。
⑦管理状況などを確認し各所へ連絡
亡くなった方自身が住んでいた区分マンションであれば、ローンの他にも修繕積立金や管理費を支払っていることがほとんどです。
さらに、亡くなった方がオーナーとして物件を貸していた場合には、入居者や賃貸管理会社・保険会社への連絡も忘れないようにしましょう。
各所の名義変更を行っておかなければ、入居者がオーナーと連絡がとれない、保険金が受け取れないなどの問題が起こることも考えられますので、こちらもなるべく早めに対応を行いましょう。
相続の際に発生する税金の種類
物件を相続するには、相続税の他にも税金が発生します。
登録免許税
登録免許税というのは、登記の名義変更を行う際に発生する税金です。
上記のステップの⑤相続登記を行うの際に発生するので、実際に支払うのは遺産分割協議などの一連の相続手続きがある程度進んでからになります。
税額は一律で、相続する物件の固定資産税評価額の0.4%となっています。
例えば評価額が5,000万円の場合には20万円を納めることになります。
評価額とは実際に売買された金額ではなく、原則として固定資産税評価額と呼ばれる公的な価格が使われています。
そこまで高額になるケースは少ないですが、評価額が確定したら税額がどれくらいになるかはあらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。
不動産取得税
不動産取得税は、マイホームなど不動産物件を取得した際に徴収される税金を指しますが、相続で不動産を取得した場合は不動産取得税は非課税です。
しかし、例外として不動産取得税が課税される場合もあります。
- 生前贈与の場合
- 法定相続人以外が特定遺贈を受けた場合
- 死因贈与を受けた場合
税額の算出に必要な評価額に関しては、登録免許税と同様に固定資産税評価額を用いて計算し、この評価額の4%が税額となります。(土地・建物ともに4%)
例えば土地と建物の評価額が合わせて5,000万円の場合には200万円を納めることになります。
例外として、2024年3月31日までに取得した不動産に関しては、軽減税率として3%を掛けることになっています。
土地に関しては、評価額を1/2に減額する措置もとられており、他にも条件によって軽減税率が適用される場合もありますので確認が必要です。
相続の際の注意点
物件を相続する際には親族内での話し合いや手続き等、ややこしいことも多くスムーズに行かないことも多いです。
しかし、やらなければならないこともたくさんあるため億劫に感じるかもしれませんが、相続前にできることもたくさんあります。
相続人や相続財産の確認は、生前から確認しておくことができます。
賃貸物件を所有しているのであれば、
- 誰が相続人となるのか
- いくつ所有しているのか
- 管理会社、入居者情報をまとめておく
- 法的に有効な遺書の用意
亡くなってしまってからでは手続きが難航する可能性も大いにあり得ます。
親族一同、一度話し合っておくことでいつか生まれる相続問題にスムーズに対応できるかもしれません。
相続した物件は売却?賃貸?
物件を相続した後は、どのように運用していくかも重要です。
売却する場合と賃貸する場合のメリット・デメリットを解説していきます。
▼売却する場合
遠方に住んでおり物件の管理が難しい場合や、現金化して平等に相続したい、などの場合には売却するのも一つの手です。
さらに、相続税が高くなり支払うことができない場合なども売却することになるでしょう。
売却の場合はそのまま所有していく場合に比べ、売れてしまえば固定資産税や管理費などの支出もないため、複数相続人がいる場合はスムーズに相続が解決する場合があります。
一方で、親や親族が代々引き継いできた土地・物件であったり、すでにローンも完済している場合であれば売却するのではなく、そのまま運用していくのも良いでしょう。
▼賃貸する場合
もともと賃貸物件として貸していた物件を相続したのであれば、そのまま運用していくケースが多いと思われます。
しかし、そのまま運用を続けていくのであれば、物件の管理や固定資産税の支払いなどオーナー業としての責任が課されます。
初めて賃貸物件を所有する場合は、わからないことも多く最初はうまくいかないかもしれませんが、家賃収入で勤労所得以外の収入を得られるのは大きなメリットと言えるでしょう。
相続物件を空室にしないために
相続した物件にすでに空室がある場合や、今後空室が生まれた場合、オーナーとして空室対策を行わなければなりません。
イエスリノベーションのお客様でも、「相続したばかりで何をしたらいいかわからないまま空室が増えてしまった…」とご相談される方も少なくありません。
空室をそのままにしていては、家賃収入も得られず損をしていく一方です。
そこで空室を埋めるためには、賃貸物件の空室解消ポイントを抑えたデザインリノベーションが効果的です。
すでに空室でお困りのオーナー様はぜひご相談ください。
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