【知って得する!】リノベーションの耐用年数・減価償却とは?

住宅などの建物や、車などの資産は、年数の経過とともに価値が減少します。

その価値の減少分をその年度に発生した経費として、数年間かけて計上する会計の方法を、減価償却と呼びます。

 

例えば、300万円かけてリフォームした物件の償却年数が10年だとすると、毎年30万円を支出費用として計上できる、という仕組みです。

そこで今回は、リノベーションをお考えのオーナー様に向けて、リノベーション費用の減価償却の仕組みや計算方法、耐用年数について解説いたします。

 

さらに減価償却について詳しい記事を更新しました。

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アパート経営に関する減価償却とは?これで基本が丸わかり!

資本的支出と修繕費

リフォームやリノベーションを行った場合、その費用は「資本的支出」か「修繕費」のどちらかに分かれます。

下記のポイントで見極められますが、それぞれの判別方法には厳密な定義はありませんので、リノベーションを行う前に税理士などのプロと相談されることをおすすめします。

資本的支出とは

資本的支出とは、固定資産の修理や改良のために支出した費用のうち、その資産の耐久性を高め、価値を向上させた部分に対応する金額のことをいいます。

リフォーム・リノベーション費用が資本的支出と判断された場合、減価償却費として計上することができます。

資本的支出の具体例

  • 工事費用が20万円を超えるもの
  • 元の状態より価値を高めたもの
  • 販促を目的とした改装や増築・設備の追加
  • 災害に備えて設備を強化・追加した場合

修繕費とは

一方で修繕費とは、固定資産を修理や改良のために支出した費用のうち、その資産の通常の維持管理、もしくは、その資産が毀損したために行う原状回復を目的として支出したと認められる部分の金額のことをいいます。

退去後の原状回復工事などの簡単なリフォームの費用は「修繕費」として経費処理されるため、減価償却を行う必要はありません。

修繕費の具体例

  • 工事費用が20万円未満のもの
  • 原状回復のために行われたもの
  • 工事費用が20万円を超えているが、3年以内に定期的に行っているもの
  • 災害で被害を受けた箇所の原状回復のために行われたもの

(参照)第8節 資本的支出と修繕費|国税庁

減価償却とは?

賃貸経営をする際に取得した賃貸物件は、年数が経ち、使用を続けることによって年々その価値が減少していきます。

 

そのため、物件取得にかかった費用は、取得したときに全額必要経費になるのではなく、賃貸物件の使用可能期間で分割し、その分割金額を必要経費としていくべきと考えられています。

 

「減価償却」とは、そのような資産の取得などにかかった費用を、一括で経費とするのではなく、複数年にわたって分割で経費計上する仕組みのことです。

 

減価償却の対象となる資産は、建物だけではなく、室内外の設備や機械装置なども対象となります。

時間が経つにつれて価値が減少するものが対象となり、土地などの時間が経っても価値が減らないものは減価償却の必要はありません。

 

その他にも、リノベーション工事の際に住宅設備などを交換していればそれらも減価償却の対象となります。

先ほど説明した「修繕費」は原状への回復を目的としている為、工事によって価値が向上したとは判断されず、減価償却の対象とはならないため、工事が終了した年に一括経費計上することになります。

減価償却のポイント「耐用年数」

耐用年数とは、その固定資産が「どれくらい使えるのか」という期間を指します。

 

減価償却の対象となる建物や設備には法定耐用年数というものが定められており、その耐用年数に則り減価償却ができる年数が定められています。

 

建物の場合、事務所や住宅、店舗などの使用用途によって耐用年数も変わってきますが、今回は住宅の場合の耐用年数を見ていきます。

建物の耐用年数例

木骨モルタル造 20年
木造・合成樹脂造 22年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年

建物附属設備の耐用年数例

冷房用・暖房用機器 6年
インターホン 6年
照明設備 15年

(参照)主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

リノベーション費用の減価償却計算方法

減価償却の計算方法は、「定額法」と「定率法」の2種類があります。

資産の種類ごとに使える方法は決まっており、建物は「定額法」で計算することが決まっていますが、建物附属設備のリノベーション費用は、「定率法」で計算することも可能です。

(定額法で計算することも可能です。)

【建物】定額法の計算方法

「リフォーム費用×定額法の耐用年数に応じた償却率」と計算します。

例えば、木造の建物を100万円で改装工事を行ったとします。

木造の耐用年数22年では償却率0.046と定められているため、100万円×0.046=46,000円となり、年間46,000円の減価償却費を計上することになります。
(参照)減価償却資産の償却率表|国税庁

【建物付属設備】定率法の計算方法

「(リフォーム費用-償却累計額)×定率法の耐用年数に応じた償却率」と計算します。

例えば、100万円で共用部の照明設備交換工事を行ったとします。

照明設備の耐用年数は15年なので償却率は0.133です。償却年が1年目だとすると、

(100万円-0)×0.133=133,000円となります。
(参照)減価償却資産の償却率等表|国税庁

それぞれのメリット・デメリット

定額法のメリットは、計算方法がシンプルで、定率法より初期の減価償却費が少ないため初期の費用を抑えることができます。

逆に定率法に比べ、資産の収益力が低下し保守費等がかさむ後年になると負担比率が高くなる点があります。

 

定率法のメリットは、早い段階で費用計上できますので、投資額の資金回収を早めることができます。

しかしながら年数が経つにつれて節税効果が薄れ、また、初期段階の償却負担が重く利益を圧迫する可能性もあります。


物件の購入やリノベーションの際には、減価償却の考えも頭に入れて資産運用することで節税への対策にもつながります。

リフォーム・リノベーション工事の内容によって「資本的支出」か「修繕費」になるのか変わってきますので、信頼できる税理士などのプロに相談するのがおすすめです。

リノベーションに関しては、弊社にプロである弊社にぜひご相談ください。

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