【オーナー必見】リフォーム費用の計算方法を紹介します
アパート経営をする中で、リフォーム・リノベーションは切っても切り離せない支出項目です。
高いお金をかけて全面的にリノベーションを行えば、すぐに入居を付けられるかもしれませんが、今まで通りの家賃設定ではいつまでたってもリフォーム費用を回収できません。
かといって、数百万円かけて行ったリノベーション工事の元を取るための家賃設定では、今度は入居が決まらなくなってしまいます。
つまり、家賃に対していくらリフォーム費用をかけられるのか、費用対効果を考えてリフォーム項目を決めていくことで、安心のアパート経営へと繋がっていくのです。
そこで今回は、アパートリフォームを行う際の費用対効果について解説していきます。
自分目線のリフォームをしない
ご自身の物件なので、自分が住みたいようなお部屋にしたい気持ちは少なからずあるかもしれません。
しかし、その考え方こそが危険なのです。
なぜなら、自分が住み続ける物件(実需物件)と、賃貸で借りる物件(賃貸物件)には求める条件が違うからです。
実需物件であれば、リビングにこんな棚があれば便利かな、キッチンは対面キッチンが譲れないな、などの理想があるかと思います。
もちろん、長く暮らしていくうえで便利な収納や設備など必要なものはたくさんありますが、賃貸物件のリフォームでは、それが万人が必要としている物かどうかを今一度考える必要があります。
過度な装飾や使用用途が限られる収納などにお金をかけるのではなく、エアコンを最新のものに交換する・照明を備え付けの物にする、など誰もが長く住み続けてくれるようなリフォーム項目を検討しましょう。
賃貸物件のリフォームは、「賃貸物件である」ということを念頭に置いて、リフォーム内容を決定していくことが重要です。
当たり前のことではありますが、いざ自身の物件のリフォームをするとなると、忘れてしまいがちなポイントではあります。
家賃の何カ月分でリフォーム費用を回収できる?
リフォームにかける予算は「家賃の○ヶ月分を目安にする」というオーナーの声が少なくありません。
しかし、かける費用は家賃の2~3か月分という方から、家賃の半年分~3年分以内など、様々です。
このような差が出る理由として、想定しているリフォームの内容がそれぞれ違うからです。
家賃の2~3ヵ月分というのは、原状回復工事に併せてアクセントクロスなどのデザインを少し加える、水栓や換気扇などの設備交換、といった表装リフォームの範囲の工事といえます。
1ヶ月の家賃の全国平均が約5.5万円のため、工事費は11万円~16.5万円程となります。
家賃数年分になると、ユニットバスやシステムキッチンの交換、バス・トイレ分離、3DKから2LDKへの間取り変更など、数百万円をかけたリノベーション工事を想定しているでしょう。
分かりやすい指標として「家賃の○ヶ月分」とありますが、実際は、リフォーム費用の回収に家賃収入全額を当てられるわけではないので、費用対効果を明確に出すには少し曖昧な指標と言えます。
実際の家賃収入からは、月々かかってくる諸経費を差し引いた利益分から回収する形になるため、単純にリフォーム費用と家賃収入だけでは計算が合わなくなってしまいます。
では、どのように計算をすれば計画的にリフォームができるのでしょうか?
それは、リフォーム利回りを計算することです。リフォームも立派な投資のたあめ、利回りを計算することが必要です。
計算方法は、リフォームを実施したことによって家賃が上昇した金額、つまり利益が増えた分を投資額で割った比率で表します。
≪計算式≫
リフォーム利回り=(賃料増加分×12か月)/工事費×100%
例えば、50万円のリフォームをして5,000円の家賃アップが見込めるとすれば、
(5,000円×12か月)/50万円×100%=12%
となります。
このリフォーム利回りが取得時利回りを上回っていれば有効、下回っていれば再度リフォーム内容に関して検討が必要という判断基準になります。
コスト意識を持つこと
ご自身の物件を管理会社に管理を委託していれば、リフォームの提案も管理会社から行われるでしょう。
しかし、管理会社はあくまでもオーナーの代理人であり、必ずしも費用対効果にあったリフォーム内容を提案してくれるわけではありません。
費用対効果が見合わなければ、ご自身でリフォーム会社を選定し、工事内容・単価に対して確認をすることが必要です。
このように業者選定においても、コスト意識がなければオーナーの望む成果を出すことはできません。
リフォーム工事を失敗しないためには、オーナー自身がコスト意識を持つことが重要と言えます。
まとめ
リフォームにも「利回り」という考え方を取り入れることで、やるべき工事と、やる必要のない工事の判断が明確になります。
ご自身で費用対効果をしっかりと見極めた上で、安心のアパート経営を目指しましょう。