【内装・不動産業界のプロに聞く!part2】どうやって入居が決まるの?その裏側をご紹介!
前回の記事に引き続き、空室対策リノベーションを行っている当社のスタッフでもあり、内装・不動産業界で19年のキャリアを持つ、古舘へのインタビュー記事をご紹介いたします。
▼前回の記事をまだお読みでない方は、こちらの記事からぜひご覧ください!▼
【内装・不動産業界のプロに聞く!part1】入居が決まりやすい部屋にするには?
前回の記事で、入居が決まりやすい部屋にするには「セールスポイント」を作ることが重要だとお伝えしましたね。
しかし、お部屋のセールスポイントをいくら素敵に作っても、不動産屋さんが入居を決めてきてくれないと、一向に空室は埋まりません。
そこで、賃貸仲介営業の経験もある当社スタッフ古舘に、
・仲介営業マンの営業方法
・どんなお部屋が決まりやすいのか
・オーナー様はどこに重きを置いたら良いのか
などなど、気になるポイントを徹底解説いたします!
▼紹介される物件
「単身物件で例えると、新宿・ワンルーム、1Kという条件で探すと約5000件の物件が表示されてきます。
お部屋を探している方々が、今では多様な募集サイトを駆使してお部屋探している中で、そのままダイレクトにオーナー様の物件にたどり着く確率はかなり低いです。
そこで重要になってくるのが言わずもがな「不動産屋さん」です。」
お部屋を探している人は、ネットで物件を探していいお部屋があれば、
①その物件をサイトで紹介している不動産屋さんに問い合わせ
②不動産屋さんに来店し物件を紹介・案内してもらう
③お部屋を内見
④気に入れば契約
というのが一般的な流れです。
そこで重要になるのが「②不動産屋さんに来店し物件を紹介・案内してもらう」という点です。
ここで仲介営業マンさん達がオーナー様の物件をいかにお客様に紹介してくれるか、、が鍵となります。
「まずお部屋をご紹介するには、ご来店いただいたお客様から希望の条件を伺います。
その希望を伺った上で、基本3パターンのお部屋を提示します。
お客様は最初、理想がどうしても高くなってしまう傾向になりますので、
①家賃以外は理想のお部屋
希望エリアで、築浅で、駅から近くて、お風呂・トイレ別でキレイで、、などなど、なるべくいいお部屋に住みたいのは当たり前ですが、そんなお部屋は家賃が高いのも当たり前です。
まず最初に、要望通りの物件だと家賃がどれくらいになるのかを理解してもらいます。
②家賃が希望通りのお部屋
次に、要望通りの家賃で希望エリアだとこんな条件のお部屋になってしまいますね、というお部屋を紹介します。
そうすると大体、理想からだいぶ低いお部屋だらけになってしまいます。
家賃をあげようか、、何か希望の条件を諦めようか、、とお客様は現実をみて、悩み始めます。
③仲介営業マンが決めたい部屋
そこで、エリアは変わるが、家賃・築年数など室内設備が理想の物件など、
少し理想からは遠ざかるものの、「いいかも!」と思わせるポイントがあるようなお部屋を紹介します。
いわゆる、①・②はあて物件と呼ばれます。
お客様の理想にそっていないので、選ばれる可能性はかなり低いですし、営業マンもこの物件で決めてもらおうとは思っていません。
①・②で出された物件を見て少し落ち込むお客様に、理想に近い、なおかつ他の物件とは違う魅力ののある③の物件を紹介することで、かなり決まりやすくなります。
通学や通勤の為に、などのマストな理由がある方で無い限り、絶対希望エリアに住むんだ!と、意気込んでいた方も理想の部屋が希望エリアに無い事を学んだ後は、良い部屋があればエリアはいつの間にかこだわらなくなっています。
③のような物件を決め物件と呼び、大体広告料付きの物件になります。
この一連の流れを【フリの営業】と呼び、私が仲介営業をしていた時はこれが一番成約率が高い営業方法でした。
ここまで言いますと、仲介営業マン達に『悪者にみたいに言うな!』と怒られそうですが(汗)、決して、彼ら彼女らが、高い成約費目的だけで営業していると言いたいのではありません。
お部屋を探している方は店舗巡りをしてしまう為、要望通りの物件を提示しているだけでは、他店の営業マンには勝てません。
いかに他社に行かせないで自分のところで決めてもらえるか、、
さらにお部屋を探している方の要望をできるだけ叶える為にはどこのどんなお部屋を提案してあげるべきなのか、、
強い気持ちを持って、現実を教えて導いてあげているのです。」
▼自分の物件を「決め物件」にするには?
決め物件として紹介するには、仲介営業マン達が何かいいと思えるポイントがなくてはいけません。
この「何かいいと思えるポイント=セールスポイント」というわけです!
▼セールスポイントの作り方については、前回の記事をご覧ください▼
【内装・不動産業界のプロに聞く!part1】入居が決まりやすい部屋にするには?
「ネット社会にはなりましたが、不動産屋さんに来店し、物件紹介してもらって内見するスタイルはまだ変わっていませんので、決め物件として仲介営業マンがお客様に提案しやすいお部屋であることが重要となります。
さらに、上記で述べたような広告料付きのお部屋も、業者間サイトで探せば沢山出てきてしまいますので、その中でさらに際立たったものが無いと仲介業者さんの目には止まりません。
私の考えをまとめますと、
従来の営業促進方法は継続しつつ、プラス、オーナー様と我々内装屋で、不動産屋さんが提案しやすい、または決めやすいセールスポイントを一緒に作ってあげる、、。
そうする事で業者間サイトでも目立ち、多くの仲介営業マンの目に止まり、決め物件として机の下に忍ばせてもらえるのです。
オーナー様や内装屋が作りたいお部屋にするだけでは決め物件には選ばれないのです。」
▼不動産屋さんとの連携を忘れずに
セールスポイントを作る中でも、不動産屋さんに相談するのがおすすめです。
どんなセールスポイントにするべきか、地元の動向に詳しい不動産屋さんに相談することで、この地域にはどのような人に需要が多いのが、空室が長くなってしまうお部屋の特徴、、などの情報をもとに、ポイントを決めていきましょう。
「前回の記事で、当社のデザインリノベーションがおすすめと書きましたが、
リノベーションをやるのであっても、まず不動産屋さんに相談することをおすすめします。
男女、学生、会社員、ルームシェア、年齢、シングル、ディンクス、ファミリー、、、
どの層を狙うのが一番ホットなのか?
ここが一番大事です!
まずここを不動産屋さんと明確にしてから動き出した方が良いです。
ある程度ターゲットを絞り込んだら自ずと、
最適な規模感のリフォーム項目が見えてくると思います。
【マーケットイン】の考えに近いですかね。
オーナー様・内装屋の打ち合わせの場で、こうしたらいいかも!など、作り手側の発想のみで提供する【プロダクトアウト】ではなく、
日頃、お部屋を探している方々を相手にされているプロの不動産屋さんの意見を取り入れ、今のお部屋を探している方々がどういった嗜好がなのかを十分に理解してプランニングしていくのが良いと考えています。
余談ですが、、当社の6つデザインパッケージもマーケットイン発想で作ったんですよ!
デザイナーさんが作ったのではく、一般の方々を集めて行ったグループインタビューをもとにして作っていったんです。」
そして、セールスポイントが決まり実際に募集を始めてからも、不動産屋さんとの連携は密にとり続けることが大切です。
「内見はこの土日に何件あったのか、、なぜ決まらなかったのかの理由、、競合物件の家賃変動、、などのデータをもとに、今後の募集をどのように展開していくか相談を重ね、不動産屋さんと一緒に決まりやすい物件を作り上げていきます。」
このように不動産屋さんと積極的に交流をとることで、決め物件として紹介してもらえるポイントにもつながります。
最後に、オーナー様へメッセージを。
「これからの大空室時代、安定的に賃貸運営をしていくためには、オーナー様・内装業者・不動産会社さんが、三位一体となって密に連携する事が不可欠だと考えております。
オーナー様の資産形成に、当社の内装デザインパックや、私の経験がお役に立てる事があれば幸いです。」
▼まとめ
今回のインタビューで、空室を埋めるためのポイントや、不動産業界の裏側などを掘り起こすことができました。
不動産屋さんはプロですが、完全に任せっきりにしてただ入居を決めてくれるのを待っているだけではいけません。
入居が決まりやすい部屋にするための、「セールスポイント」作りを意識してみてはいかがでしょうか?