マンションの修繕積立金の値上げどうする?相場や対処法を解説

投資用物件としてや、ご自身の住まいとしてマンションを所有しているオーナー様は毎月支払っている「修繕積立金」

この「修繕積立金」が年々値上げの動きを見せています。

 

これを元に国土交通省は2024年2月、修繕積立金の徴収額を段階的に引き上げる場合の増額幅を最大約1.8倍とする方針を示しました。

つまり、このような決まりを設けないといけなくなるほど、さまざまなマンションが修繕積立金の増額をしなければならない状態になっているということになります。

 

そこで今回は、修繕積立金とは具体的に何に使われているのか?今後の値上げの可能性などについて詳しく解説していきます。

修繕積立金とは

マンションを購入すると、毎月のローン返済のほかに、管理費や修繕積立金の支払いが必要となります。

「管理費」とは、共有部分の清掃や管理、エレベーターなどの設備点検等、暮らしやすいようマンションを維持していくために使用されるお金です。

「修繕積立金」とは、マンションが古くなり、大規模修繕などの修繕が必要になった時のために備えてお金を積み立てておくものです。

 

管理費・修繕積立金のどちらも、マンションを所有している限り支払い続けていくことになる費用です。

さらに、所有している間に費用が増額されることもあり、定期的な支出として把握しておくことが必要です。

修繕積立金の使い道

では、具体的に修繕積立金はどのような修繕に使用されているのでしょうか。

 

マンションも築年数が経過していくごとに老朽化していくため、エレベーターなどの設備や外壁・屋上の防水処理など、定期的な点検や修繕が必要です。

およそ10年に1度行われる大規模修繕工事には修繕積立金が使用されます。

大規模修繕工事では、外壁補修・塗り替えや配管の補修・交換、共用廊下やエントランス・階段の床の張り替えなど、その都度必要であると判断された共用部の修繕工事を行います。

 

また、予定になかった急な設備故障の修理などにも使用されます。

よくあるのは、エレベーターや機械式駐車場の故障などが考えられるため、その分の費用も管理組合で積み立てておく必要があります。

 

修繕積立金を使用して修繕する範囲は、マンションの区分所有者全員で権利を持っている共有部分に限られます。

住戸内のキッチンなどの設備は、区分所有者であるオーナーが自費で修繕を行います。

 

マンションの規模や築年数、設備の有無によって修繕積立金の費用にも差がありますが、共有部設備の修繕には数千万円程度かかることが多いです。

故障をしてから修繕が必要になるたびに区分所有者から費用を集めていると、負担が大きく支払えない場合もあるでしょう。

そのため、毎月積み立てる方式をとっています。

修繕積立金の相場は?

マンションによって異なる修繕積立金の金額ですが、相場はいくらなのでしょう。

ご所有のマンションの修繕積立金は相場より高いのか安いのか確認してみましょう。

 

修繕積立金は、マンションの「長期修繕計画」に基づき必要な金額を算出しています。

それを元に、区分所有者が管理組合に支払い、管理組合が積み立てていきます。

 

修繕積立金の金額は、物件の総戸数や設備の有無によって異なり、同じくらいの規模のマンションであっても、エレベーターの台数や築年数によっても金額は変わってきます。

さらに、同じマンション内でも専有面積が大きいほど負担割合は大きくなります。

 

国土交通省がの「令和5年度 マンション総合調査」によると、1住戸当たりの修繕積立金の平均は13,054円となっています(※駐車場使用料などから充当額を除く場合)。

平成30年度と令和5年度を比較すると、修繕積立金の額は増加しており5年で116%の増加率となりました。

参照:令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状|国土交通省

修繕積立金の値上げ問題

修繕積立金の徴収方法は主に2種類で、「段階増額積立方式」「均等積立方式」とあります。

 

「段階増額積立方式」とは、毎月の修繕積立金額が段階的に上がるタイプで、築年数が新しいマンションはこちらの方式を採用しているケースが多いです。

マンションの老朽化が進むにつれ修繕費が必要となるため、段階的に値上げを行う方式です。

「均等積立方式」とは、長期修繕計画に基づいて今後数十年間で必要となる金額を算出し、毎月の負担が均等になるように金額を決める方式です。

 

国土交通省が行った調査によれば、段階増額積立方式のマンションの、長期修繕計画の計画当初から最終計画年までの値上げ幅の平均は、約3.58倍でした。

つまり、新築時の修繕積立金額が10,000円だった場合、最終的には35,800円になるのです。

月々の支出がこんなにも大幅に変化があると、生活にも大きく影響を与えるでしょう。

 

実際に修繕積立金の値上げにより、支払うことができず滞納している住戸も多くあり、築年数が古い物件ほどその割合が多くなっています。

そのため、2024年2月に国土交通省が、修繕積立金の徴収額を段階的に引き上げる場合の増額幅を最大約1.8倍とする方針を出すことで計画的な積み立てを促しています。

値上げの原因は?

どうしてこんなに値上げが必要になっているのでしょうか。

理由はいくつかあります。

新築時の設定額が低い

大きな要因となっている一つに、新築時の設定額の低さがあります。

段階増額積立方式を採用しているマンションの場合、徐々に増額していくにしても、最初の設定金額が低ければ増額幅も大きくなっていきます。

不要な工事や割高な工事を実施してしまった

マンションの管理を管理会社に完全に任せてしまっている場合、このようなことも起こりえます。

今まで行ってきた工事の中で、割高な工事や不要な工事があり、そこに費用を使ってしまったことにより値上げが必要となってしまった、という原因も考えられます。

物価高

長期修繕計画は5年ごとに見直しを行っており、それを基に修繕積立金額を決定していきます。

昨今の物価高によって、建築部材や人件費も高騰しており、従来の修繕積立金額よりも高くなる可能性も大いに考えられます。

値上げが決定する前に

では、適正な修繕積立金の値上げ管理はどのように行っていけば良いのでしょうか。

修繕積立金が値上げは、管理組合の総会で決定されます。

この総会は、区分所有者であれば誰でも参加することができ意見を述べることができます。

ご自身の所有しているマンションの長期修繕計画を確認し、本当に値上げが必要なのか、工事が適切な金額で行われているかなど、毎月支払っている修繕積立金が適正に使用されているかをまずは確認しましょう。

区分所有者の意見を聞かず無理に値上げをしてしまうと、滞納が発生し結果的に必要な費用が積み立てられない、ということも考えられます。

そうならないためにも、管理会社に管理を丸投げしたり、理事会のみで決定したりせず、区分所有者全員が意見を述べられる環境を整えることが必要です。

すでに修繕積立金が不足しているマンションも多く、必要な修繕が発生したときに資金不足で工事を行えず、老朽化が進んでしまいます。

区分所有者全員で暮らしやすく、安全なマンションを保っていけるよう、自身の所有しているマンションの管理を見直していきましょう。

 


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