【空室対策】賃貸物件の宅配ボックス設置のメリット
コロナ禍の影響もあり、インターネットショッピングを日常的に利用する人も増えてきました。
そのため、ここ数年の賃貸物件の人気設備ランキングの上位にランクインしている「宅配ボックス」。
アパートやマンションのオーナー様に向けて、宅配ボックスの種類や、物流の視点からみた宅配ボックス設置のメリット・デメリットについて解説します。
宅配ボックスが必須条件の時代に
株式会社LIFULが運営する「LIFULL HOME’S」が行った、宅配ボックスに関しての調査によると、物件を探す際に、「宅配ボックスあり」が「必須」選択された割合は、2023年6月以降伸びが大きく、直近では6割近くが「必須」選択をしていることがわかりました。
現状の「宅配ボックスあり」物件の割合は全体の4割程度であるのに対し、「必須」としている人は6割近くであり、ニーズに対して供給はまだまだ足りていないということがわかりました。
参考:「物流2024年問題」対策の“置き配ポイント”で注目集まる『宅配ボックスあり』物件の市況をLIFULL HOME’Sが調査
さらに、全国賃貸住宅新聞から発表された「入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編」(全国の不動産会社512社がアンケートに回答)の結果から、単身者編では、前回同様の4位、ファミリー向けでは、前回6位からのランクアップで5位にランクインしました。
(画像出典:全国賃貸住宅新聞「ネット無料、首位独走【入居者に人気の設備ランキング2023 付加価値編】」)
浴室換気乾燥機やウォークインクローゼットよりも順位が高く、入居者からの要望も増えているといいます。
宅配ボックスは、あると嬉しい設備から、あって当たり前の設備へと意識が変わってきていると言えるでしょう。
「物流2024年問題」
2024年4月からトラックドライバーの労働環境改善の為、時間外労働の削減などが適用され、輸送能力が不足し、モノが運べなくなると懸念されています。
このことを「物流2024年問題」と言われています。
2024年問題に対して何も対策を行わなかった場合、2024年時点で14.2%・2030年時点には34.1%の輸送能力が不足する可能性があると試算されています。
宅配の再配達率を下げる取り組みとして、自宅の玄関前などに荷物を置く「置き配」やコンビニでの受け取りを選んだ消費者に、ポイントを還元することを政府が発表しました。
これによって再配達率を現状の12%から、24年度は6%へと半減させるとしています。
置き配によってポイントが還元されるということで、安全に荷物を受け取ることができる宅配ボックスのニーズがさらに高まることが予想されます。
宅配ボックスの種類
宅配ボックスと一口に言っても、いろいろな種類があります。
施錠方法で大きく分けると、「電子式(デジタル式)」と「ダイヤル式」の2種類に分けられます。それぞれの特徴について説明します。
電子式(デジタル式)
電子式(デジタル式)は、最近の新築マンションに設置されているようなコンピューターが制御するタイプの宅配ボックスです。
ダイヤル式の場合は、配達業者が都度設定する暗証番号で解錠しますが、電子式は、磁気カードや専用のキーを使って開錠します。
そのため、荷物の取り間違いや暗証番号の記入ミスなどの心配がなくセキュリティ性が高いのが特徴です。
しかし、ダイヤル式に比べ、導入費用が高く、宅配ボックスの管理を管理会社に委託する「オンライン管理方式」の場合は保守管理費用も必要なため、管理にランニングコストがかかることはデメリットともいえます。
ダイヤル式
ダイヤル式は、荷物を入れる都度数字の暗証番号の設定をするタイプの宅配ボックスです。
配達業者が設定した暗証番号を記入した配達通知書を、入居者のポストに投函し、その番号で解錠します。
操作方法が簡単で、導入コストも電子式に比べれば安価に抑えられますが、セキュリティ性が低く、暗証番号の書き間違いなどで解錠できないなどのトラブルも考えられます。
一棟マンション・アパートをご所有であれば、宅配ボックスの管理はオーナー様が行う必要があるため、トラブル対応などの必要があることも把握しておくことが必要です。
宅配ボックス設置のメリット・デメリット
オーナー様が所有する物件に宅配ボックスを設置すると、様々なメリットが期待できます。
宅配ボックスを設置することで、物件の付加価値が高まり、家賃アップや入居率が上がることも十分に考えられます。
付加価値が高まることで、入居者の利便性もあがり、現在の入居者の退去防止にもつながる可能性もあります。
築古の物件であれば、周辺のライバル物件はまだ宅配ボックスを設置していない物件が多いかもしれません。その中で、差別化が成功すれば早期入居もかなえられるでしょう。
一方で、宅配ボックスを設置することのメリットもたくさんありますが、オーナー様にとってはデメリットも考えられます。
初期費用として設置コストがかかり、商品によってはランニングコストがかかる宅配ボックスもあります。
さらに、宅配ボックスの管理はオーナー様自身が行う為、荷物が入りっぱなしになっていないか・入居者からの問い合わせなどにも対応しなければいけません。
しかし、設置費用やランニングコストに関しては、入居率改善・家賃アップが実現すれば、十分に回収できる金額でしょう。
管理の手間は増えてしまいますが、ライバル物件に差をつけられないように空室対策を行っていくことも重要です。
空室対策として
入居者の需要に対して供給が追い付いていないいま、宅配ボックスの設置で空室対策を行いませんか?
2024年を迎えるにあたり、さらに宅配ボックスの需要は増えていくと考えられます。
宅配ボックス設置に補助金がおりる自治体もあります。
ご所有の物件のアピールポイントや、ライバル物件との差別化、家賃アップを目指して宅配ボックスの設置をご検討ください。