よくある賃貸トラブル7つの事例紹介!どんな対処法がある?
賃貸物件を所有しているオーナーであれば一度は直面する、トラブル対応。
トラブルと言ってもさまざまな種類があるため、トラブルを系統ごとに整理し、その対処法を事前に学んでおくことで、実際にトラブルが発生した際にも迅速な対応が可能となります。
どれだけ管理に力を入れていても賃貸経営にトラブル対応はつきものです。
柔軟かつ迅速に対応できるよう事前に準備しておきましょう。
オーナーはどんなトラブルに悩んでいる?
東京都では、退去時の敷金精算や入居期間中の修繕等の紛争防止のため、賃貸住宅紛争防止条例の施行に合わせ、「賃貸住宅トラブルガイドライン」を作成しています。
「令和4年度版 賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」によると、2020年度に東京都住宅政策本部へ寄せられた相談件数は17,200件でした。
出典:令和4年度版 賃貸住宅トラブル防止ガイドライン:東京都
そのうち、一番多いのが「退去時の敷金精算」による相談が37%、次いで「契約」による相談が17%、「管理(修繕含む)」による相談が15%、「契約更新」による相談が10%と続いており、さまざまな内容の賃貸トラブルが起きている事が分かります。
賃貸経営では、入居者だけでなく管理を行う管理会社、近隣住民など多くの人が関わります。
そのすべてのトラブルをゼロにするのは難しいですが、事前にトラブルの種類や起こりやすい内容を把握し対処法を理解しておくことで、実際にトラブルが発生したときに適切な対応がしやすくなり、トラブルの発生を抑えることもできます。
具体的なトラブルの7つの事例
では実際にどのようなトラブルが起こりやすく、問題となっているのでしょうか。
いくつか具体例を挙げてみていきましょう。
①家賃滞納トラブル
オーナーが一番懸念しているであろうトラブルの一つである、家賃滞納トラブル。
家賃滞納が発生する原因は主に、「家賃支払日を忘れていた」「家賃を支払う資力がない」「家賃を支払う意思がない」などが考えられます。
1回目の滞納は、振り込み忘れの事も多く、電話やメールで連絡すると振り込まれることも多いですが、2回目以降の滞納は支払う資力がないか、オーナーや管理会社の対応に不満があるなどの何かしらの理由があって支払う意思がない場合も考えられます。
そのため1~2カ月は督促の手続きにとどめ、3カ月経っても支払われなかった場合には簡易裁判所などに建物明け渡し訴訟を起こすことが一般的です。
ただ、明け渡し訴訟から結審するまでに3カ月程度かかるため、3カ月待ってから訴訟を起こすと判決が出るまで半年以上も家賃が入らないため、滞納の1カ月目から弁護士に相談するなど、動き始めた方がいいでしょう。
家賃の滞納に関しては、滞納中の入居者を強制退去させるなどすると、オーナーが訴えられることもあり得ます。
対応が難しいですが、すぐに専門家に相談し毅然とした態度で対応していきましょう。
②入居者間トラブル
入居者間によるトラブルもよくあるトラブルの一つです。
その中でも特に騒音問題は大きなトラブルにつながりやすく、オーナーを悩ませているトラブルの一つです。
コロナ禍で自宅時間が増えたことでトラブル件数は増加し、クレームの連絡も頻発しています。
入居者間のトラブルは対応を間違えたり解決までに時間がかかってしまうと、トラブル発生源の当事者は残り、被害を受けている入居者が退去することになり、入居率の低下・入居者の質の低下にもつながってしまいます。
騒音問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
いきなり騒音を発しているであろう入居者に直接注意してしまうと、さらなるトラブルにつながりかねません。
双方の訴えを聞き、他の住民にもヒアリングするなど、対応に気をつけて対処していきましょう。
③設備故障トラブル
次に、設備が故障したことによるトラブルです。
入居中に給湯器やエアコンなどの、生活していく上で必要不可欠な設備が故障した場合、オーナーとしては速やかに対処することが必要です。
2020年4月の民法改正で、設備などが故障して使えなくなった場合、割合に応じて「家賃は減額される」ことが決定しました。
対応が遅くなったことで、家賃の減額分が大きくなってしまうため、早急に対応が必要です。
入居者入れ替えのタイミングで古くなった設備は故障する前に交換してしまうなど、未然にトラブルを防ぐことも視野に入れておきましょう。
④共用スペースの利用方法や規約違反トラブル
ルールを守らない入居者によって起こるトラブルも多いです。
ゴミ出しのルールを守らない、共用部で喫煙している、ペット飼育可の物件ではないのにペットを飼育しているなど、問題はさまざまです。
一人でもルールを守らない入居者がいることで、他のルールを守っている入居者が不快に思い退去してしまうなど、オーナーにとっても大きな問題につながります。
このようなトラブルが起きた場合には、掲示板などで入居者全員に通知を行ったり、オーナー自身で声掛けを行ったりすることで改善につながることも大いに考えられます。
大きなクレームになる前に、自身で対応できることは対応していきましょう。
⑤長期空室によるトラブル
なかなか入居者が決まらないというのもオーナーにとって重要なトラブルの一つです。
どうして入居が決まらないのかの原因を考え、対応していくことが重要です。
前述したように、入居者同士のトラブルが原因で退去が生まれた場合、そのトラブルを解決しなければ次の入居者を見つけることも難しいでしょう。
また、室内が古いなどの問題があるのであれば、空室期間中にリノベーションを行うのも一つの方法です。
賃貸物件専門のリノベーション会社であれば、適切なリノベーションの提案を行ってくれるでしょう。
イエスリノベーションでは、賃貸物件専門のデザインリノベーションを行っております。
1000件以上の施行実績をもとに、空室解消に効果的なデザインを取り込み、価格が明瞭なパッケージ工事を導入することで、オーナー様との細かな打ち合わせも不要です。
空室でお困りのオーナー様はぜひお問い合わせください。
現地調査・お見積もりは無料です。
⑥管理会社トラブル
管理を依頼している場合には、管理会社とのトラブルもオーナーから多く声が上がっています。
ちゃんと募集をしてくれない、適切な報告がない、有意義な提案をしてくれないなど、管理会社によって対応が悪い担当者もいるでしょう。
対応をお願いしても改善されないのであれば、管理替えも視野に入れましょう。
管理費用の安さなどで決めるのではなく、管理業務の中身と質で判断することが重要です。
⑦退去手続きトラブル
賃貸住宅トラブル防止ガイドラインの中でも一番多いトラブルである、退去手続きトラブル。
退去時の原状回復費用を借主と貸主のどちらが負担をするかで、入居者と揉めるケースが多いです。
経年劣化なのか故意に傷つけたものなのかによって負担者が変わる上に、経過年数による負担割合も関わってきます。
原状回復の費用負担については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
どちらが負担するかを明確にできるよう、入居前に室内の現状をオーナーも把握しておくことが重要です。
トラブルを未然に防ぐには?
さまざまなトラブル事例をご紹介しましたが、トラブルが起きないに越したことはありません。
トラブルが起きないよう、リスクを事前に抑える方法を理解しておきましょう。
知識を身につける
トラブル対応を行うには、不動産や民法などの専門的な知識が不可欠です。
管理を依頼している場合であっても、オーナー自身が予備知識を身につけておくことは大切です。
信頼できる専門家を探しておく
設備が故障した場合や、訴訟につながりそうな場合など、頼りになる専門家が近くにいてくれると安心です。
実際にトラブルが起きてから探したのでは、適切な対応ができなかったり、高額の費用を請求されたりなど、トラブルが重なる可能性も考えられます。
何かあった時のために事前に何社かリストアップしておくといいでしょう。
入居者や管理会社と日頃からコミュニケーションをとる
オーナーとして、日頃から入居者や管理会社とコミュニケーションが取れていれば、回避できるトラブルもあるでしょう。
さらに実際にトラブルが発生した際にもスムーズに解決できます。
入居者もオーナーと顔見知りであれば、安心であるのと同時に共用部を汚すなどのルール違反も行わなくなるでしょう。
オーナーの役割を全うしましょう
オーナーのトラブル対応力は物件の満足度にも影響します。
トラブルが起きても慌てずに対処をできるよう、トラブル対処方法を把握しておけば迅速に対応でき、入居者にも安心してもらえるでしょう。
管理方法など定期的に見直し、都度改善していくことで自己流の管理術を目指しましょう。